韓国の出版事情

今、韓国でどんな本が人気を博しているか、どんな新刊本があるかなど、韓国の出版事情をご紹介します。

青少年のための書店「インディゴ書院」(韓国通信)

 釜山市に「青少年のための人文学書店」を標榜する「インディゴ書院」という書店兼出版社があります。書店なら普通、置いてあるはずのベストセラーや参考書、問題集を扱っていないこと、本を媒介とした討論会などの活動を積極的に行っていることが特徴です。 昔から本が好きだったという代表のホ・アラムさんは、帰国子女の小学生に絵本や童話を用いてハングルを教える活動を約30年前に始めました。それが評判となり、やがて読書を通した討論教室に発展したといいます。受講者が増えて専用の場所が必要となり、2004年にオープンしたのがインディゴ書院...

2018-08-26 (日)

工場の面影残すリノベ書店「Yes24」(韓国通信)

最近、古い建物を再利用したリノベカフェが日本でも韓国でも人気ですが、釜山には、工場だった建物が大型書店やカフェ、展示空間などが入る施設に変身した例があります。その名も「F1963」。もとはワイヤーを製造していた「高麗製鋼(現Kiswire)」の工場で、名前はFactoryの「F」と工場の設立年から取ったそうです。2008年に生産を中止し、設備は移転。その後は倉庫として使われていましたが、やがてその役目も終え、14年に美術展覧会「釜山ビエンナーレ」の会場となったのを機に、16年に複合文化空間へと生まれ変わりました。コ...

2018-08-10 (金)

2017年「韓国文学」の出版状況

2017年「韓国文学」の出版状況                                        舘野晳(翻訳家・出版文化国際交流会理事) 「週刊読書人」(17.12.22)の「韓国文学回顧」欄に、「胸踊る豊作の一年」なる見出しが踊っていた。果たしてそうだったのか。2017年に出た「韓国文学」の翻訳を中心に、その辺りを探ってみよう。まず、これまでとの違いは、版元に晶文社と白水社が加わり、この部門でお馴染みだったCUON、新幹社、かんよう出版、書肆侃侃房、平凡社、現代企画室、論創社、講談社、藤原書店など...

2018-02-02 (金)

2017年ベストセラーランキング

 2018年も1月半ばとなりました。1月20日から、第4回日本翻訳大賞の読者からの推薦受付も始まります。2017年は様々な韓国文学の邦訳本が刊行され、また、当会でK-BOOK読書ガイド『ちぇっく CHECK』を刊行したこともあり、多くの書店で韓国文学フェアが開催されました。注目を集めはじめた韓国文学の本が日本翻訳大賞に多く推薦されることを期待しています。 さて、韓国の2017年はどんな本が人気を博したのでしょうか。韓国の書店「教保文庫」と「YES24」で発表された集計記事から2017年のベストセラーをのぞいてみよう...

2018-01-14 (日)

第6回『日本語で読みたい韓国の本ーおすすめ50選』説明会(イベントレポート)

 第6回『日本語で読みたい韓国の本―おすすめ50選』の説明会を12月7日に開催しました。師走の多忙な時期にもかかわらず、多くの方がお越しくださり、韓国の本に対する関心の高さを窺うことができました。 今年は、『ピンポン』(パク・ミンギュ著 斎藤真理子訳 白水社)をはじめ、晶文社の<韓国文学のオクリモノ>シリーズなど、たくさんの韓国の小説が翻訳、刊行されました。そこで、韓国文学がどのように受け止められているのか知りたく、特別講演として翻訳家であり児童文学研究家でもある金原瑞人さんに「ぼくの好きな韓国小説、ぼくの気になる...

2017-12-11 (月)

韓国で人気のコラージュ絵本

韓国ではここ数年、日本でも人気を集めているペク・ヒナさんの『ふわふわくもパン』や『天女銭湯』のような、韓紙人形や布、押し花など様々なものを使ってキャラクターをつくるコラージュ絵本が注目を集めています。ペク・ヒナさんの最新作のほか、人気のあるコラージュ絵本を紹介します。『알사탕(あめ玉)』(文/絵 ペク・ヒナ)色も大きさもさまざまなあめ玉。口にいれると、聞こえるはずのない心の声が聞こえてきます。木の葉にペットの犬の声まで聞こえてきます。「元気?」、「いっしょに遊ぼう!」、「大好き!」さあ次はだれの心の声かな?魔法のあ...

2017-05-04 (木)

2016年、「韓国文学」関連書の出版状況

2016年、「韓国文学」関連書の出版状況          舘野晳(翻訳家・出版文化国際交流会理事) 2016年に刊行された「韓国文学」を振り返って見ると、「小説」の奮闘ぶりが目立った。大家に属する金東仁①『小説大院宮: 雲峴宮の春』(彩流社)、李泰俊②『思想の月夜ほか五篇』(平凡社)、玄鎮健③『無影塔』(キンドル版)を筆頭に、朴景利④『完全版土地』(1・2巻、CUON)、李文求⑤『冠村随筆』(インパクト出版会)、趙世煕⑥『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)。さらに中堅・若手では、玄吉彦⑦『島の反乱』...

2017-02-03 (金)

2016年ベストセラーランキング

 松の内も明け、通常の生活に戻りつつある頃かと思います。皆さま今年の「読み初め」はどんな本でしょうか?  さて、昨年末に「教保文庫」と「yes24」から発表された資料をもとに、2016年のベストセラーを振り返ってみます。 まず、両サイトで1位、2位の座を分け合った2冊の書籍を紹介します。 1冊目は昨年マン・ブッカー賞を受賞した、ハン・ガンの『채식주의자』(『菜食主義者』きむ ふな訳 クオン)。受賞後には1日に1万冊以上という売上を見せた本書は、作品が放つ独特の世界観で世界中の読者の心をつかみ、現在も人気を集めていま...

2017-01-12 (木)

第5回『日本語で読みたい韓国の本―おすすめ30選』説明会(イベントレポート)

 9月23日、『日本語で読みたい韓国の本-おすすめ30選』第5号の説明会が、神田古書センター「ほんのまち」にて開催されました。出版関係者や韓国書籍に興味をお持ちの方など、80人近くの方々が足を運んでくださり、約2時間30分にわたる講演に熱心に耳を傾けてくださいました。 2013年に第1号が発行されて以来、本冊子は「おすすめ50選」というサブタイトルで、毎回、50冊の韓国書籍を紹介してきましたが、今回は「おすすめ30選」とし、各ジャンルから選りすぐった30冊の書籍紹介文とともに、寄稿文や、日本の本を韓国で出版した出版...

2016-09-30 (金)

韓国の小説を読む愉しみ(イベントレポート)

 韓国文学翻訳院主催によるイベント「韓国の小説を読む愉しみ」が、9月25日に東京国際ブックフェアで開催されました。 司会は作家の姜信子さん。書肆侃侃房から初邦訳短編集『アンニョン・エレナ』が刊行されたばかりの金仁淑さんと、新幹社から長編『生姜』が刊行されている千雲寧さん、3人による充実したトークが繰り広げられ、韓国文学のテーマ、表現がいかに幅があり、多彩であるかということを再認識しました。 1983年に作家活動を開始した金仁淑さんは、小説という武器で時代を告発することが自分の文学の出発点であり、社会が変化するにつれ...

2016-09-26 (月)