韓国の出版事情

今、韓国でどんな本が人気を博しているか、どんな新刊本があるかなど、韓国の出版事情をご紹介します。

韓国ミステリー事情

 前回、前々回と韓国のジャンル小説の流れについてご紹介しましたが、今回は、創刊10周年を迎えた『本 格ミステリー・ワールド2016』(島田荘司監修 南雲堂)に掲載のコラム、「韓国ミステリー事情(2015)」の全文をご紹介します。韓国ミステリー事情 2015年、韓国ミステリー界における最大の話題は、隔月発行のミステリー専門誌『ミステリア(MYSTERIA)』(2015、Elixir)の創刊だろう。『ミステリア』は、読者とミステリー文学関係者の期待と不安が入り交じる中、大型総合出版社、文学トンネのミステリー小説専門レー...

2016-03-05 (土)

韓国の「ジャンル小説」の流れを見る②

韓国のジャンル小説について、『日本語で読みたい韓国の本-おすすめ50選』第3回に掲載のコラムを引き続きご紹介します。純文学にも影響ジャンル小説と同様に、最近は純文学にも少しずつ変化が起こっている。ミステリーや推理、スリラー、SFなど、純文学の作家によるジャンルの技法を用いた作品が出版されているのだ。こうした作品群は一部で中間小説、またはスリップストリームと称されてもいるが、それはあくまでも以前の小説群と異なる特性を区別するためであって、特別な意味はないと考える。しっかりした文章と表現力で武装したこの作品群は、東野圭...

2016-03-05 (土)

韓国の「ジャンル小説」の流れを見る①

 今週と来週は、韓国のジャンル小説について、『日本語で読みたい韓国の本-おすすめ50選』第3回に掲載のコラムを2回にわたってご紹介します。韓国の「ジャンル小説の流れ」を見る。SFというジャンルの想像力大学時代に卜・鉅一(ポク・コイル)の『碑銘を求めて(映画:ロストメモリーズの原作)』を読んだことを思い出す。この小説はサブタイトル「京城・昭和六十二年」からも分かるように、韓国が日本に併合された状態が1987年まで続いているという代替歴史(Alternative history)小説だ。初めて触れた『碑銘を求...

2016-02-01 (月)

韓国を代表する知識人、申榮福(シン・ヨンボク)教授逝去

教保文庫による2015年ベストセラーランキング、人文学関連部門で第5位、総合部門でも第20位にランキングされた『담론~신영복의 마지막 강의(談論~シン・ヨンボク、最後の講義)』の著者であるシン・ヨンボク聖公会大客員教授が今月15日、逝去されました。聖公会大学の聖堂に設けられた献花台には数多くの教え子や同僚、政治家たちが訪れ、別れを惜しみました。日本でも人気の韓国焼酎처음처럼(チョウムチョロム、初めてのように)のラベルに書かれた文字と絵も、書家としても有名だったシン教授の手によるものです。  1963年にソウル大学...

2016-01-25 (月)

2015年ベストセラーランキング

昨年末、韓国の主要書店「教保文庫」とインターネット書店「YES24」から相次いで2015年ベストセラーランキングが発表されました。昨年のベストセラー総合第1位は、日本でも「アドラー心理学」ブームを巻き起こした『미움받을 용기-자유롭고 행복한 삶을 위한 아들러의 가르침』(原題:嫌われる勇気-自己啓発の源流「アドラー」の教え  岸見一郎、古賀史健)。「YES24」では、年間通算40週1位の記録を打ち立てるほどの人気を博しています。ほかに上位を占めているのは、教養知識を一般読者向けに易しく解説した『지적 대화를 위...

2016-01-05 (火)