一日3分、睡眠革命―睡眠瞑想の専門家チェ・サンヨン博士の熟睡実践法

季節の変わり目で体調を崩したり、気持ちよく眠れなかったりする人も多いのではないでしょうか。「睡眠」に関する本はたくさん刊行されていますが、『一日3分、睡眠革命―睡眠瞑想の専門家チェ・サンヨン博士の熟睡実践法』のような、東洋医学の知識を基に熟睡実践法を紹介する本は余りないのではないかと思います。新しい睡眠の本として、本書をご紹介します。

原題:하루 3분, 수면 혁명―수면명상전문가 최상용 박사의 숙면 실천법
出版日:2014年2月25日
発行元:ヒュ(휴)
ISBN-13:9788984317901
頁数:230
判型:152×210 mm

睡眠革命

●概略 

 『一日3分、睡眠革命』はチェ・サンヨン博士の睡眠法実践のノウハウが余すところなく盛り込まれた本である。健康の基礎となる「眠り」について20年以上研究・開発・実践してきたチェ・サンヨン博士が、これまでの治療経験や研究結果を整理して公開した成果が本書である。「眠り」に対する関心と睡眠メカニズムの研究を通じて、人間はなぜ睡眠を必要とするのか、睡眠は心身にどのような影響を及ぼすのか、どうすれば良質な睡眠を得ることができるのかなどについて、具体的に明らかにしている。また、誰にでも実践可能な睡眠を活用した心身修養法「眠りの魔法」が具体的に紹介されている。本書を読んで「眠りの魔法」を実践しようという読者には、著者のブログで「3段階の睡眠瞑想法」の音声ファイル(韓国語)が提供されている。

●目次

1章 眠りは癒しのはじまりだ
(よく眠れていますか?/眠りの魔法をかけろ/眠りの魔法誕生の秘密/なぜ陳摶は驢馬から落ちて大笑いしたのか-尹斗緖『陳摶墮驢圖』/眠りの魔法とは何か/不眠症を克服し、睡眠に誘う眠りの魔法/睡眠のための夏冬の食事と健康管理法/未来を拓く心身修養法
2章 一日3分、眠りの魔法に落ちよう
基本法則
(午後11時から午前2時までは必ず眠れ/眠る時間と起きる時間、昔の人は季節ごとに変えていた!/眠る時は北枕で/快適な寝床のための先人の知恵/眠る前に切実な願望をイメージせよ/ノンレム睡眠で心身を変える/眠る前3分の魔法、自分だけの入眠儀式を実行しよう)
3章 眠りの魔法の準備
リラックス法
(心を落ち着かせる緊張緩和法/体全体をリラックスさせる簡単な方法/集中できずに不安な時は手を握り締めろ/効果的にリラックスするために体の仕組みを覚えよう/体の全てを心で見通すリラックス法)
4章 眠りの魔法の始まり
呼吸法
(自分に合った呼吸法を探そう/「白衣民族」にはどんな意味が込められているのか?/現代人に必須の「踵息法(かかとから体の隅々まで気をいきわたらせる呼吸法)」/足から呼吸すれば手足と全身が暖かくなる/修行のポイント「下丹田」とはどこにあるのか/足と全身で呼吸する「踵息法」を実践しよう
5章 体から心まで、脳を癒す睡眠瞑想法で人生をリセット
(心で体と通じ、対話する「存思法」・「存想法」/息が詰まれば、病気で苦しむ/眠りの魔法を通じて実践する5種類の自己治癒法/早朝、体の中の毒素を排出せよ/食べることにこだわるな/脳が元気になるマッサージ法)

あとがき

 

●各章のあらすじ

人間が眠っている時間は人生の約3分の1にのぼる。効率が重視される現代社会においては、眠りの時間は軽視されがちだ。第1章では著者自身の民主化運動による投獄・拷問・突然の父の死などの精神的トラウマを「眠りの魔法」で克服した経験を交え、豊富な東洋学の知識を下敷きに「眠りの魔法」をどのように生み出したのか、「眠りの魔法」とは何なのかを説く。第2章では「眠りの魔法」実践のための諸条件、第3、4章ではそれぞれ「眠りの魔法」の一部であるリラックス法と呼吸法が具体的に説明される。いずれも東洋医学の知識がベースとなっており、理解を助けるための図解なども充実していてすぐに実践できる内容になっている。第5章では、不眠症を克服し健康な眠りを手に入れるだけでなく、眠りによって、自己治癒力を高め、病気を防ぎ、克服する自己開発法が詳しく説かれている。

●試訳

人として生まれた以上「生老病死」から逃れることはできない。しかし「長患いして百年」という言葉があるように、自分の体と心に対して日頃から関心を持ちメンテナンスさえしていれば、病気はある程度は避けることができる。ほとんど全ての病気が心から始まることは、先に述べたとおりである。
「眠りの魔法」は体の観察を通して「気」と血液の循環を円滑にし、心の安らぎを求める瞑想法だ。体と心は相互に有機的な関係を結んでいる。大切なことは体の主人である心をどのように癒すかだ。生身の体である以上、体の調子がよくない時に心の安定を図るのはたやすいことではない。そのため基本的には体をまず癒そうというのが「眠りの魔法」で基礎となる体を通じた修行法だ。
私たちの体は優れた自己治癒能力を持っている。このような自己治癒プログラムには、生命力を維持するために欠かすことのできない機能を有する脳幹が備わっている。従って大脳や小脳による不必要な認識作用をできる限り減らし、脳幹が自己の役割を最大限に果たすのを妨げないようにすることが、脳幹治癒法のポイントだ。「眠りの魔法」で活用する代表的な自己治癒法は深い眠りであるノンレム睡眠を増やし、静かに心を癒す「踵息法」のような瞑想法だ(195~196頁)

●日本でのアピールポイント

ストレスの多い現代社会において「眠り」に対する関心は日々高まっている。日本でも韓国でも、ベストセラーの上位には常に「快眠」「熟睡」などのキーワードが多く見られ、多忙な日常の中、短い時間でも良質の睡眠を取って健康を維持したいというサラリーマンや主婦に人気を得ている。しかし日本では「睡眠」をテーマにした健康本は数多くあっても、多くが「実践のみ」だったり、「理論のみ」であることが多く、本書のように東洋医学の幅広い知識を基礎にして理論も押さえつつ、すぐに実践できる本はあまり見られない。著者の20年を超える「眠り」に関する深い探究は、読み物としても面白く、西洋科学だけでは説明できない東洋学の知の深淵を垣間見ることができる点でもおすすめしたい。

著者:チェ・サンヨン(최상용)

記者出身の著者は、圓光大学東洋学大学院で修士号・博士号を取得。「気」を体得するために参禅・瞑想などの実践を重ねると同時に、「気」の科学的解明のためにソウル大学韓医物理学教室で人体経絡、生物発光、生体磁場・エネルギーなどを研究した。東洋医学の知識をもとに、ストレス、不安、不眠を克服するための睡眠法を研究する中で「眠りの魔法」を開発。現在、人文気学研究所を運営。東洋文化アカデミーの教授でもあり、大学や企業、各種団体で講義を行っている。主な著書に『漢字は絵で記憶しろ!』『漢字の実力は国語の実力だ』『漢字の実力は数学の実力だ』『世渡りと心の経営法』などがある。

 

 

2017-03-14 (火)