激動期の韓国 ~解放 麗水・順天事件 朝鮮戦争~

イ・ギョンモという写真家をご存じでしょうか。激動の歴史的瞬間をカメラに捉えてきた韓国の代表的な写真家です。1945年から1950年にかけて彼が撮影した報道写真を一冊にまとめた写真集『激動期の韓国 ~解放 麗水・順天事件 朝鮮戦争~』を紹介します。イ・ギョンモは、写真を用いて韓国の現代史を記録することに心血を注いぎました。本書は歴史の現場を残し、時 代を越えて人々に訴えかけてくる写真集であり、当時の状況や現実を正確に捉えた、時代を超越する貴重な記録集でもあります。

原題:격동기의 현장-8.15 해방 | 여수 순천사건 | 6.25 전쟁-
出版日:2010年6月20日
発行元:ヌンビッ(눈빛)
ISBN-13:9788974092696
頁数:2 0 4
判型:B5

激動の韓国

 

 

 

 

 

 

 

 

●概略 

第1部は、独立から大韓 民国の建国まで(1945〜1948年)の実情を撮影し、独立を迎えて歓声 を上げる民衆と、ソウルの街に突如として現れた米軍の姿、そして大 韓民国政府樹立などが写真に収められている。第2部は、麗水・順天事 件に関する報道写真をまとめた。この事件は大韓民国の政府樹立から2 カ月後の1948年10月19日に、南朝鮮労働党系の軍人が中心となって起 こした蜂起であり、その鎮圧過程でこの事件とは無関係の人たちが数 多く犠牲となった。彼は、この歴史の現場に飛び込み、鎮圧の全過 程を記録した。第3部は、朝鮮戦争(1950〜1953年)に従軍カメラマ ンとして撮影した写真群。戦禍に苦しむ避難民の生活や、米軍首脳 部と政治家たちの舞台裏での姿までもが収められている。

● 目次
解放と分断の民族史(チョン・ビョンジュン)/1945〜1948年/麗水・順天事件(1948年)/1950〜1953年/時間の痕跡を味わう楽しさ( ハン・ジョンシク)/死線を越えながら撮影した、同族で相争うことの 悲劇(イ・ギョンモ)/作家年譜/索引

 

●日本でのアピールポイント

韓国の戦後を記録したイ・ギョンモの写真は、日本写真家協会の会報や『アサヒカメラ』にも紹介されるなど、国内外のさまざまなメディ アから注目されている。本書の強みは何よりも、激しく揺れ動いた韓 国をカメラに収めている点であろう。麗水・順天事件や朝鮮戦争など 歴史的な事件だけでなく、その時代を生きていた人々の様子までとら えているイ・ギョンモの写真は、資料として非常に高い価値を持つもの ばかりだ。韓国を知りたいと思う人なら、誰もが手に取りたいと思う本 であろう。

 

著者:イ・ギョンモ(이경모)

写真家。1926年、全羅南道生まれ。1946年に現在の『 光州日報 』の前身であ る湖南新聞社の写真部長に就任し、本格的に写真家としての活動を始めた。 新 聞社に勤めていた頃は、従軍記者として麗水・順天事件( 1948年 )を取材する ほか、朝鮮戦争のときには韓国国防部政訓局報道科写真隊に所属するカメラ マンとして戦場の状況を写真で記録した。以後、韓国写真作家協会と韓国写真 作家団の結成に発起人として参加する一方、芸術大学と女子大学に出講し、さ らにセハンカラーやイファカラーなどの写真業界にも関わった。国内外の写真 展や公募展で多数受賞し、個展を4回開催した。2001年没。

2018-06-25 (月)