ディア マイ ブラックドッグ (디어 마이 블랙독)

ディアマイブラックドック
原題
디어 마이 블랙독
著者
キム・ヌッカウル
出版日
2019年6月2日
発行元
マウメスプ
ISBN
9791162850312
ページ数
272ページ
定価
14,000ウォン
分野
エッセイ

●本書の概略

「わたしは生涯、わたしの話が他の人の慰めになることが夢だった。わたしの夢は、わたしがわたしである間に叶えられた」

うつ病になった著者が自分自身を取り戻すまでの過程をイラストで分かりやすく描いている。インスタグラム投稿で話題を呼んだ待望のヒーリング・エッセイ。

会社に勤め、両親も健在、対人関係も良好で親友もいる。スポーツや趣味を楽しみ、将来の夢もあるのに、3ヵ月間、自殺衝動にかられる。そして長い間、ブラックドッグ=うつ病を育ててきたことに気付く。子供の時に受けたいじめが心の傷の始まりだった。

治療を決心し、8回のカウンセリングを受ける。

カウンセリングを通して少しずつ折れない心が育っている自分と出会う。

気づかなかった自分の心を見つめ直し、自分で自分を慰め、慰められ、マイペースでバランスを取っていく瞬間を記録する。

うつと不安を頭ではなく、足元に置いて共存し、悲しみに没頭するのではなく、自分のためにできることをする。独りでも幸せに生きていけるように。

「いつも晴れていたら砂漠になる。雨が降って風が吹いてこそ肥沃な土地になる」。―スペインのことわざより

●目次

プロローグ〈独りでも幸せでありたいです〉

1.壊れた心を発見すること

2.わたしがわたしを抱き起すこと

3.心のための勇気を育てること

4.うつと一緒に歩むこと

エピローグ〈親愛なるわたしのうつへ〉

●日本でのアピールポイント

心と体のバランスを崩して途方に暮れ、どうしたらいいのかわからなくなったとき、はじめの一歩を踏み出す方法を本書がやさしく教えてくれる。ブラッグドッグと向き合う方法を。

国連のWHO=世界保健機関は、2017年世界保健デーのテーマを「うつ病」と定めた。世界のうつ病患者数は約3億人、年間約80万人が自殺しており、国際的な取組が求められている。また、2020年にはうつ病が世界2位の疾病になると見られる中、WHOはうつ病に打ち勝つためのイラスト付き啓発映画「うつ病-という名の黒い犬」も制作した。

本書は、うつ病を発症して治療を受ける過程を、著者の描いたイラストを通して丁寧に解説しており、大変読みやすいのが特徴だ。

初めてカウンセリングを受けた日、話をしながら涙がとめどなくあふれた。自分の不安を受け入れ、ありのままの感情を認め、自分の考え方のクセを知り、自分を取り戻し、前より楽に呼吸ができるようになったとき、ブラックドッグは姿を消す。折れない心を持った自分が、本来の自分を取り戻す。

誰もが少しずつ心に傷を負って生きる。ブラックドッグを育てる前に一読するのもおすすめだ。

作成:申樹浩

著者:キム・ヌッカウル
月曜日は憂鬱で週末が待ち遠しい。おいしいものを食べたいけど太るのはイヤ、そんな平凡な人生を送っている。誰にでも幸せと不幸せが共存する。だからこそ、わたしの話が他の人の慰めになることを願う。 生涯、絵を描き文章を書く生活を 夢見て生きる。Instagram@dear_my_black_dog