今週の本

「日本語で読みたい韓国の本」、「日本語で読める韓国の本」に新しく投稿された本です。

国家の私生活

北朝鮮情勢が緊迫化を強めています。このような状況のなか、韓国では、北朝鮮の崩壊、韓国による吸収統一を仮定して描かれた小説が注目を浴びています。イ・ウンジュンの『국가의 사생활(国家の私生活)』や、『한국이 싫어(韓国が嫌だから)』が大ヒットしたチャン・ガンミョンの『우리의 소원은 전쟁(僕たちの願いは戦争)』などです。この中から、韓国と北朝鮮の合併から5年、「最悪のシナリオ」を提示した長編小説『国家の私生活』を紹介します。原題:국가의 사생활出版日:2009年4月10日発行元:民音社(민음사)ISBN-13:978...

2017-04-15 (土)

『完全版 土地』第1巻

 朴景利が25年の歳月をかけて完成させたベストセラー大河小説『土地』完全版の刊行が、吉川凪さん、清水知佐子さんの翻訳によりスタートして、話題を集めています。 李氏王朝の崩壊から日本の植民地化、解放まで約50年間を時代背景に、慶尚南道河東郡の平沙里に暮らす地主一家の没落と民族の悲哀が描かれています。400字詰め原稿用紙1万5000枚にもなる超大作です(『土地』や朴景利について、クオンのサイトに詳しく掲載されています)。昨年秋に第1巻と第2巻が刊行され、第3巻が今月(4月)下旬に刊行される予定です。 激動の時代、人々が...

2017-04-01 (土)

一日3分、睡眠革命―睡眠瞑想の専門家チェ・サンヨン博士の熟睡実践法

季節の変わり目で体調を崩したり、気持ちよく眠れなかったりする人も多いのではないでしょうか。「睡眠」に関する本はたくさん刊行されていますが、『一日3分、睡眠革命―睡眠瞑想の専門家チェ・サンヨン博士の熟睡実践法』のような、東洋医学の知識を基に熟睡実践法を紹介する本は余りないのではないかと思います。新しい睡眠の本として、本書をご紹介します。原題:하루 3분, 수면 혁명―수면명상전문가 최상용 박사의 숙면 실천법出版日:2014年2月25日発行元:ヒュ(휴)ISBN-13:9788984317901頁数:230判型:1...

2017-03-14 (火)

450円の幸福、東京銭湯探訪記

 立春とは名ばかりの厳しい寒さが続いています。寒さが身にしみる日は、ゆっくりと湯船につかってリラックスしたくなります。日本の公衆入浴文化は外国人にも人気があり、訪日外国人による銭湯の利用が増えているそうです。都会の民家の中にある銭湯で日本文化をゆっくり味わうのは、地方の温泉宿で湯につかるのとは全く違う楽しみがあるようです。日本の銭湯に魅せられた韓国人女性作家による銭湯探訪記を紹介します。原題:450엔의행복,도쿄 목욕탕 탐방기 出版日:2012年5月25日                             ...

2017-02-11 (土)

『関釜連絡船』

 昨年10月に「日本語で読みたい韓国の本」で紹介した韓国の国民的作家、李炳注の『관부연락선1、2(関釜連絡船)』が、橋本智保さんの翻訳で藤原書店より刊行されました。 李炳注は、『智異山』、『山河』、『その年の5月』など、歴史を素材にしたスケールの大きい、かつ哲学を込めた文学作品を数多く残しています。『関釜連絡船』は1968年4月から1970年3月まで『月刊中央』に連載された長編小説で、李炳注の作品のなかでも最高傑作だと言われています。  訳者あとがきの一部を紹介します。 歴史を素材にしつつも、国や言語、時...

2017-01-26 (木)

2016年に刊行された韓国の本

 2016年も残すところあと1日となりました。 今年、どんな韓国の本が翻訳され、出版されたのか、文学を中心にまとめてみました。 韓国現代文学で最高の大河小説と言われている朴景利の『土地』第1巻、第2巻をはじめ、拷問技術士として多くの無実の民を牢獄に追いやった父とその娘のゆがんだ関係を描いた千雲寧の『生姜(センガン)』、今年「ブッカー国際賞」を受賞した『菜食主義者』の著者ハン・ガンが光州5.18事件を舞台に鎮魂の物語を書き上げた『少年が来る』など、様々なテーマの本が出版されました。この年末には、韓国で130万部のロン...

2016-12-30 (金)

ヤーンヤーン

主人公の編み物のシーンが印象的な絵本を紹介します。かわいらしいだけでなく、読み終わると心がほっこりあたたかくなる、大人も楽しめる絵本です。原題:얀얀yarnyarn 出版日:2011年11月22日                              発行元:textcontext           ISBN-13:9788996257530 頁数:47  判型:270×255m●概略  このかわいらしい絵本は、ソウルの街角のオシャレなカフェでコーヒーを飲みながらパラパラとめくりたくなるコーヒーブックです。 ...

2016-11-13 (日)

愛より残酷 ロシアン珈琲

 日中の気温も大分下がり、寒くなってまいりました。 秋から冬に移行するこの時期は、ホットコーヒーを片手にゆったりと読書を愉しみたくなります。 コーヒーにまつわる高宗暗殺未遂事件をご存じでしょうか。 「毒茶事件」といわれているものです。 ロシア語通訳官金鴻陸(キム・ホンリュク)らがコーヒーに致死量の阿片を混入して、朝鮮王朝最後の皇帝高宗の暗殺を企てます。高宗は日頃からコーヒーを愛飲していたそうですが、そのコーヒーは口にしませんでした。何も知らずに飲み干した皇太子(後の純宗)や女官らが重体となった事件です。 『私、黄眞...

2016-11-08 (火)

アトリエの猫 ー猫を愛する若き芸術家たち

昨年、猫のペット数が犬を初めて上回り、空前の猫コブームを迎えています。「ネコノミクス」という言葉も生まれているほどで、猫グッズの販売店や猫カフェなどもヒットしているようです。韓国では猫というと不吉なイメージがあり人気のない動物でしたが、最近は猫をペットとする人が増えたり、猫カフェができたりと、韓国の猫事情も変わってきました。今回はそんな韓国の猫を愛する若い芸術家や彼らの作品についての本を紹介します。アトリエの猫 ー猫を愛する若き芸術家たち                                     原題...

2016-10-27 (木)

関釜連絡船1,2

韓国社会でいまも読み継がれている李炳注の大河小説『智異山』の邦訳版(松田暢裕訳 東方出版株式会社)が昨年夏に刊行され話題となりました。原書の『智異山』は第7巻からなりますが、邦訳版も上下巻で総1,700 頁の大著となっています。李炳注はスケールの大きい作家で、歴史を素材にし、哲学を込めた文学作品を多く残しました。どの作品も読み応えのある大作ですが、その中から『関釜連絡船』を紹介します。関釜連絡船1、2 原題:관부연락선1、2 出版日:2006年4月20日 発行元:ハンギル社(한길사) ISBN-13:9788935...

2016-10-20 (木)