韓国の出版事情

今、韓国でどんな本が人気を博しているか、どんな新刊本があるかなど、韓国の出版事情をご紹介します。

翻訳者と作家が語る韓国文学(韓国通信)

 日本、中国、ベトナムの翻訳者計7人と人気の若手作家キム・エランさんが、韓国文学や翻訳について語り合うイベントが10月12日、ソウル市に隣接する富川市で開かれました。富川市と韓国文学翻訳院による主催です。 第1部では、英国のマン・ブッカー賞を受賞したハン・ガンさんの連作小説集『채식주의자』(菜食主義者)の翻訳者3人が登壇。中国語の千日さん、日本語のきむ ふなさん、ベトナム語のHoang Hai Vanさんが、この作品を翻訳しながら感じたことなどを発表しました。    &nbs...

2018-10-15 (月)

韓国の絵本史と作家3人展(韓国通信)

 慶尚南道金海市で8月31日から9月2日まで開かれた「2018大韓民国読書フェスティバル(대한민국독서대전)」についてご紹介します。政府の文化体育観光部が2014年から「読書の月」の9月に開催している全国規模の読書博覧会で、読書の振興に対する積極的な取り組みが認められた自治体で開かれます。これまで京畿道軍浦市(2014)、仁川広域市(15)、江原道江陵市(16)、全羅南道全州市(17)で開催されました。 3日間にわたって多数のプログラムがありましたが、特に注目を集めていたのは韓国の絵本の特別展です。イ・オクベさん、...

2018-09-17 (月)

今、注目の本(韓国通信)

 教保文庫光化門店では、朝鮮最初の女性西洋画家で文筆家でもあったナ・ヘソクの短編小説『瓊姫(キョンヒ)』が発表されて100周年となるのを記念した企画が行われています。その一つとして、大山文化財団が企画した文学選集『경희, 순애 그리고 탄실이(キョンヒ、スネ そして タンシリ)』が8月31日に刊行されました。ナ・ヘソク(1896~1948)、キム・イルヨプ(1896~1971)、キム・ミョンスン(1896~1951)の日本統治時代の女性作家3人の作品を4編ずつ収録。韓国を代表する画家たちの絵も掲載されています。 こ...

2018-09-07 (金)

教保文庫光化門店、8月の月間ベストセラー(韓国通信)

韓国の大型書店の一つ、教保文庫光化門店における8月の月間ベストセラー(国内小説)をご紹介します。すでに邦訳のあるリュ・シファ、コン・ジヨンの新作や、チョ・ナムジュの『82년생 김지영(82年生まれ、キム・ジヨン)』、チェ・ウニョンの『쇼코의 미소(ショウコの微笑)』など、今年邦訳の刊行が予定されている作品がランクインしています。写真は週間ベストなので多少順位が違いますが、月間ベストと同一の作品となっています。なお、邦訳未刊行の書籍のタイトルは仮題です。      &...

2018-09-04 (火)

ユースブックフェア、大盛況(韓国通信)

釜山市で8月中旬、「2018 インディゴ・ユースブックフェア」という青少年向けの行事がありました。本を媒介とした交流や教育を主な目的に、2008年から隔年で開催されているもので、前回ご紹介した「インディゴ書院」が主管、公益法人「チョンセチョンセ」が主催。政府の教育部(日本の文部科学省に相当)や文化体育観光部、釜山市、釜山市教育庁(教育委員会に相当)といった公共機関の後援も受けていました。これまで、「人+間」(2008)、「価値を再び問う」(10)、「共同善を目指して」(12)、「新しい世代の誕生」(14)、「貧しい...

2018-09-01 (土)

青少年のための書店「インディゴ書院」(韓国通信)

 釜山市に「青少年のための人文学書店」を標榜する「インディゴ書院」という書店兼出版社があります。書店なら普通、置いてあるはずのベストセラーや参考書、問題集を扱っていないこと、本を媒介とした討論会などの活動を積極的に行っていることが特徴です。 昔から本が好きだったという代表のホ・アラムさんは、帰国子女の小学生に絵本や童話を用いてハングルを教える活動を約30年前に始めました。それが評判となり、やがて読書を通した討論教室に発展したといいます。受講者が増えて専用の場所が必要となり、2004年にオープンしたのがインディゴ書院...

2018-08-26 (日)

工場の面影残すリノベ書店「Yes24」(韓国通信)

最近、古い建物を再利用したリノベカフェが日本でも韓国でも人気ですが、釜山には、工場だった建物が大型書店やカフェ、展示空間などが入る施設に変身した例があります。その名も「F1963」。もとはワイヤーを製造していた「高麗製鋼(現Kiswire)」の工場で、名前はFactoryの「F」と工場の設立年から取ったそうです。2008年に生産を中止し、設備は移転。その後は倉庫として使われていましたが、やがてその役目も終え、14年に美術展覧会「釜山ビエンナーレ」の会場となったのを機に、16年に複合文化空間へと生まれ変わりました。コ...

2018-08-10 (金)

2017年「韓国文学」の出版状況

2017年「韓国文学」の出版状況                                        舘野晳(翻訳家・出版文化国際交流会理事) 「週刊読書人」(17.12.22)の「韓国文学回顧」欄に、「胸踊る豊作の一年」なる見出しが踊っていた。果たしてそうだったのか。2017年に出た「韓国文学」の翻訳を中心に、その辺りを探ってみよう。まず、これまでとの違いは、版元に晶文社と白水社が加わり、この部門でお馴染みだったCUON、新幹社、かんよう出版、書肆侃侃房、平凡社、現代企画室、論創社、講談社、藤原書店など...

2018-02-02 (金)

2017年ベストセラーランキング

 2018年も1月半ばとなりました。1月20日から、第4回日本翻訳大賞の読者からの推薦受付も始まります。2017年は様々な韓国文学の邦訳本が刊行され、また、当会でK-BOOK読書ガイド『ちぇっく CHECK』を刊行したこともあり、多くの書店で韓国文学フェアが開催されました。注目を集めはじめた韓国文学の本が日本翻訳大賞に多く推薦されることを期待しています。 さて、韓国の2017年はどんな本が人気を博したのでしょうか。韓国の書店「教保文庫」と「YES24」で発表された集計記事から2017年のベストセラーをのぞいてみよう...

2018-01-14 (日)

第6回『日本語で読みたい韓国の本ーおすすめ50選』説明会(イベントレポート)

 第6回『日本語で読みたい韓国の本―おすすめ50選』の説明会を12月7日に開催しました。師走の多忙な時期にもかかわらず、多くの方がお越しくださり、韓国の本に対する関心の高さを窺うことができました。 今年は、『ピンポン』(パク・ミンギュ著 斎藤真理子訳 白水社)をはじめ、晶文社の<韓国文学のオクリモノ>シリーズなど、たくさんの韓国の小説が翻訳、刊行されました。そこで、韓国文学がどのように受け止められているのか知りたく、特別講演として翻訳家であり児童文学研究家でもある金原瑞人さんに「ぼくの好きな韓国小説、ぼくの気になる...

2017-12-11 (月)