韓国の出版事情

今、韓国でどんな本が人気を博しているか、どんな新刊本があるかなど、韓国の出版事情をご紹介します。

2月の月間ベスト10、エッセー部門(韓国通信)

教保文庫の2月のベストセラー、今回はエッセイ部門をご紹介します。「自分らしく生きること」「癒やし」がキーワードとなった本が多く、厳しい競争社会で他者からの視線や評価を気にして生きることに疲れた人々の姿が浮かび上がってくるようです。 1位:『고요할수록 밝아지는 것들(静かになるほど明るくなるもの)』慧敏(ヘミン)著 (スオ書斎、18.12.6)韓国最大の仏教宗派・曹渓宗の僧侶である著者の3作目のエッセイ。前作2作『멈추면, 비로소 보이는 것들(立ち止まれば、見えてくるもの)』と『완벽하지 않은 것들에 ...

2019-03-06 (水)

楽しみながら文学に親しむ児童書店「책과 아이들」(韓国通信)

 創業20年以上になる釜山の児童書専門書店「책과 아이들(本と子どもたち)」をご紹介します。書架に並ぶ販売用の本は実に13,000冊。無料で利用できる図書室やギャラリーもあり、子どもたちが楽しみながら文学に親しめるよう様々な活動も企画しています。 1997年に書店を立ち上げた妻のカン・ジョンアさんと、大企業を退職して書店業に合流した夫のキム・ヨンスさんが共同代表として運営しています。もともとエンジニアだったキムさんは現在、「全国トンネ(町)書店ネットワーク」の会長も務めています。オープン当初は小さな空間でしたが拡張...

2019-02-23 (土)

教保文庫、1月の月間ベストセラー(韓国通信)

教保文庫の1月の月間ベストセラー(国内小説)をご紹介します。1位は、とどまるところを知らぬ勢いの『82年生まれ、キム・ジヨン』でした。 1位:『82년생 김지영(82年生まれ、キム・ジヨン)』 チョ・ナムジュ著(民音社、2016.10.14) 2017年10月から19年1月まで、18年3月(3位)を除いて15カ月間、首位を保ち、17年4月から現在までも3位内に入り続けています。韓国では昨年11月に100万部を突破しましたが、邦訳本(斎藤真理子訳、筑摩書房)も6万7000部に上るという大きな反響を呼んでいま...

2019-02-15 (金)

存続の危機に瀕する釜山の古本屋街(韓国通信)

 釜山市の人気観光地「国際市場」近くの中区宝水洞に、古本屋が軒を連ねる「宝水洞本屋通り」があります。教科書や参考書、辞書、児童書、漫画、小説、雑誌、芸術書、外国書籍、古書など幅広い種類の古本や新本を売り買いしていて、細い路地の両側にたくさんの本が積み上げられた様子は迫力があります。昔からの常連客のほか、国内外の観光客も訪れます。        本屋通りは、終戦を迎え日本人が引き揚げる際に残していった本を、空き地で売ったのが始まりと言われています。...

2019-01-22 (火)

Yes24、読者投票による「今年の本」「今年の表紙」ベスト10(韓国通信)

ソウル市の麻浦中央図書館1階のギャラリーで、大型書店「Yes24」によるイベント「책×책-Books Link Everything」が来年1月20日まで開かれています。昨年10月から今年にかけて刊行された本の中から投票で選ばれた「今年の本」24冊と「今年のカバー(表紙)」10冊を紹介する展示会です。     「今年の本」は2003年から毎年、発表されていて、16回目となる今年は「小説」「詩・エッセー」「人文・教養」「児童・青少年」など8分野の計236冊が候補作に選...

2018-12-18 (火)

教保文庫の年間ベスト10(国内小説)(韓国通信)

2018年の教保文庫の年間ベストセラー(国内小説)が発表されました。1月1日から12月2日までの、全店舗・ネット販売・電子書籍の販売部数を総合した順位です。注目の1位はチョ・ナムジュの『82年生まれ、キム・ジヨン』でした。全国紙「京郷新聞」(11月28日付)に、16年の刊行当時はそれほど注目を集めていなかった同書が100万部を超えるベストセラーになるまでの流れが、社会的な出来事とあわせて紹介されていました。以下、要約です。文中の【 】は各時点での販売部数です。17年の「国際女性デー」(3月8日)にある議員が同書を3...

2018-12-15 (土)

教保文庫、11月の月間ベストセラーと新刊案内(韓国通信)

教保文庫の11月の月間ベストセラーをご紹介します。1位は3カ月連続で首位の『82年生まれ、キム・ジヨン』でした。 1位:『82년생 김지영(82年生まれ、キム・ジヨン)』 チョ・ナムジュ著(民音社、2016.10.14) 100万部突破を記念して評論5篇と著者インタビューを加えた特別版も発売されました。待望の邦訳本も斎藤真理子さんの訳で筑摩書房より12月8日に刊行されました。        2位:『작별(別れ)』(ウネンナム、...

2018-12-09 (日)

読書への入口「ピョルマダン図書館」(韓国通信)

 ソウル市江南区の「COEXモール」に昨年オープンした「별마당 도서관(ピョルマダン図書館)」(Starfield Library)をご紹介します。飲食店やファッション・雑貨店などが並ぶ大型モールの中央に位置し、1階と地下1階の吹き抜け構造になっています。その2フロアーにまたがる巨大な書架に、ぎっしりと本が並んでいる様子は迫力があります。所蔵する書籍は約5万冊。人文、経済、趣味、実用書などが分野別に配置され、貸出しはしていませんが、館内では誰でも自由に読むことができます。本の検索用PCや、iPadで読む電子書籍コー...

2018-11-25 (日)

第7回『日本語で読みたい韓国の本ーおすすめ50選』説明会(イベントレポート)

 第7回『日本語で読みたい韓国の本―おすすめ50選』の説明会を11月8日に開催しました。今年の会場は完成したばかりの出版クラブビルで、出版関係者をはじめ70人ほどの方々がお越しくださいました。      今年21年ぶりとなる小説『泣きかたをわすれていた』を上梓された落合恵子さんがメインスピーカーとして登壇され、「フェミニズムと女性表現者の存在」をテーマに、中心でアザーボイスを唱えられる社会の重要性などを語っていただきました。『泣きかたをわすれてい...

2018-11-20 (火)

作家チョン・セランの愛読書と人物の描き方(韓国通信)

50人の日常をさりげなく、深く描いた『フィフティ・ピープル』(斎藤真理子訳 亜紀書房)が人気の若手作家、チョン・セランさんのトークイベントが11月6日、ソウル市城北区にあるブックカフェ「buku」で開かれました。テーマは「本と私の距離」で、チョン・セランさんがここ数年で読んだ愛読書を紹介しつつ、人物の描き方などの創作秘話を披露してくれました。        韓国の作家では、『誰でもない』(晶文社)や『野蛮なアリスさん』(河出書房新社)の...

2018-11-15 (木)