翻訳コンクール

新着情報

  • 少年が来る

      昨年、ハン・ガン作家の『菜食主義者』(きむ ふな訳 クオン)が「マン・ブッカー国際賞」を受賞したことはまだ記憶に新しいところですが、『少年が来る』(井手俊作 クオン)がイタリアの権威ある文学賞「マラパルテ賞」を受賞したという素晴らしいニュースが昨日飛び込んできました。『少年が来る』は5.18光州民主化運動を扱った小説で、命を奪われた少年、その家族、過去の活動で受けた暴力にいまなお悩まされ続ける人々など、章ごとに様々な立場の人物をオムニバス形式で描いています。国を越えて本書が高い評価を受けたのは、ハン・ガン作家が...

    2017-09-16 (土)
  • リナ

     北朝鮮のことがニュースに取り上げられる度に、国民はどのような生活を強いられているのだろうかと気にかかります。昨年(平成28年)、日本経済新聞お正月特別版の文芸欄「世界の『今』に迫る10冊」で、『リナ』(姜英淑著 吉川凪訳 現代企画室)が取り上げられました。「『脱北』少女の苦難 韓国の作家が悪漢小説の体裁を取りながら鋭い筆致で描出する」作品と評されました。この『リナ』は、『文藝』2014年春号で、著者の姜英淑さんと翻訳家の鴻巣友季子さんとの対談でも取り上げられている作品です。この対談で姜英淑さんは「私は小説の中で『...

    2017-09-14 (木)
  • アンニョン、エレナ

     福岡を拠点に様々な出版活動を行っている書肆侃侃房では、昨年から「韓国女性文学シリーズ」を刊行しています。その第1弾として刊行されたのが、『アンニョン、エレナ』(金仁淑著 和田景子訳)です。「アンニョン、エレナ」「息-悪夢」「ある晴れやかな日の午後に」など、家族間の軋轢によって生じた喪失と傷を巧に表現した作品7編が収められています。著者はあとがきで、「同じ家で一緒に住む木に対しても無頓着な私」と自分のことを語っていますが、本当はとても人間に興味があって、よく観察しているのではないかと思わせる作品集です。李在明の李完...

    2017-09-01 (金)
  • ピンポン

     第1回日本翻訳大賞受賞作品『カステラ』(ヒョン・ジェフン訳 斎藤真理子訳 クレイン)の著者パク・ミンギュさんと翻訳家斎藤真理子さんコンビによる傑作長編小説『ピンポン』(白水社)。チスにいつも殴られ、いじめられている中学2年生の僕は「釘」とあだ名をつけられ、同じくいじめの対象になっている友人は「モアイ」と言われています。ピンポンのラリーをすることで、会話と思考を続けることを覚えていく釘とモアイを中心に、大多数の無意識の加害、集団心理の怖さを奇想天外な物語で語っていきます。読み終わってから、目次の前頁にある2行「安心...

    2017-07-28 (金)
  • スイカのプール

     梅雨も明け、夏本番が始まりました。プールや海水浴などを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。スケールの大きな想像力で描かれたユニークなストーリーと、見ているだけで涼しくなりそうなイラストが魅力的な絵本、『スイカのプール』を紹介します。原題:수박 수영장出版日:2015年7月27日発行元:チャンビ (창비)ISBN-13:9788943309091頁数:52判型:B5●概略  暑い夏の日に冷たいスイカのプールで泳ぐという楽しい想像力で描かれたユニークな絵本。のどかな田園風景、大きなスイカのプールでのびのび楽し...

    2017-07-22 (土)