
教保文庫の11月の月間ベストセラーをご紹介します。1位は3カ月連続で首位の『82年生まれ、キム・ジヨン』でした。
1位:『82년생 김지영(82年生まれ、キム・ジヨン)』 チョ・ナムジュ著(民音社、2016.10.14)
100万部突破を記念して評論5篇と著者インタビューを加えた特別版も発売されました。待望の邦訳本も斎藤真理子さんの訳で筑摩書房より12月8日に刊行されました。
2位:『작별(別れ)』(ウネンナム、2018.10.19)は第12回キム・ユジョン文学賞受賞作品集で、受賞作の『작별』(ハン・ガン)の他に、受賞候補にあがった6人(カン・ファギル、クォン・ヨソン、キム・ヘジン、イ・スンウ、チョン・イヒョン、チョン・ジドン)の作品が収録されています。
3位:『아몬드(アーモンド)』 ソン・ウォンピョン著(チャンビ、2017.3.31)
4位:ジョン・ミンヒのファンタジー小説『룬의 아이들 블러디드.1 (ルーンの子供たち BLOODED)』(エリクシール、2018.11.23)。すでに邦訳されたシリーズ第1部『冬の剣』と第2部『DEMONIC』(ともに酒井君二訳、宙出版)に続く第3部で、表紙と挿絵は中川悠京さんが手掛けています。オンラインゲーム「テイルズウィーバー」の原作小説です。
5位:『인생 우화(人生寓話)』 リュ・シファ著(ヨングムスル社、2018.7.30)
6位:キム・グミの短編集『나는 그것에 대해 아주 오랫동안 생각해(私はそれについてとても長い間考える)』(マウムサンチェク、2018.10.30)。イラストレーターのクァク・ミョンジュさんの絵が添えられています。
7位:『쇼코의 미소(ショウコの微笑)』 チェ・ウニョン著(文学トンネ、2016.8.10)。邦訳本が12月中旬にクオンから刊行予定です。CHEKCCORI BOOK HOUSEで予約受付も始まっています。
8位:『오직 두 사람(ただ二人)』 キム・ヨンハ著(文学トンネ、2017.5.25)
9位:『살인자의 기억법(殺人者の記憶法)』キム・ヨンハ著(文学トンネ、2013.7.25)
10位:『채식주의자(菜食主義者)』 ハン・ガン著(チャンビ、2007.10.30)
新刊コーナーでは、『アンダー、サンダー、テンダー』(吉川凪訳、クオン)や『フィフティー・ピープル』(斎藤真理子訳、亜紀書房)などの邦訳本があるチョン・セラン初の小説集『옥상에서 만나요(屋上で会おう)』(チャンビ、2018.11.30)や、『あまりにも真昼の恋愛』(すんみ訳、晶文社)などで知られるキム・グミの新作小説『나의 사랑, 매기(私の愛、メギ)』(現代文学、2018.11.25)、映画「1987、ある闘いの真実」でチェ検事を好演した俳優ハ・ジョンウの写真入りエッセー『걷는 사람, 하정우(歩く人、ハ・ジョンウ)』(文学トンネ、2018.11.23)などが目立っていました。彼は1日3万歩も歩くそうです。
癒し系エッセーも相変わらず人気です。小山内園子さんの訳で竹書房から邦訳本が出ているキム・シンフェの『보노보노처럼 살다니 다행이야(ぼのぼのみたいに生きられたらいいのに)』(ノル、2017.4.6)は、いがらしみきおさんが韓国の読者向けに表紙を描いたウィンターエディションが出ました。同じ棚に並んでいるのは、ペク・ヨンオクのエッセー『그냥 흘러넘쳐도 좋아요(まぁこぼれてもいいさ)』(arte、2018.10.17)です。ペク・ヨンオクは、リュウ・シウォンとキム・ヘスが共演した大ヒットドラマ「スタイル」の原作小説など、4冊の長編小説を発表している人気作家です。ヨシタケシンスケの『あるかしら書店』『結局できずじまい』『ヨチヨチ父 とまどう日々』の韓国語版も大々的に並んでいて、12月8日には光化門店でサイン会も開かれました。(文・写真/牧野美加)