2017年の日本における韓国文学

先週22日、週刊読書人に東北大学の佐野正人准教授による「2017年回顧 韓国文学」が掲載されました。「胸躍る豊作の一年」というタイトルのとおり、今年は分野も様々にたくさんの韓国文学作品が翻訳、刊行されました。
メディアでも多く取り上げられ、韓国文学の大きな波を感じた年でした。これまで韓国文学に関心のなかった方々にも、この波は届いたのではないでしょうか。年明け1月には、晶文社の「韓国文学のオクリモノ」シリーズから『誰でもない』(ファン・ジョンウン著 斎藤真理子訳)が、3月には『あまりにも真昼の恋愛』(キム・グミ著、すんみ訳)が刊行される予定です。また、河出書房新社からも3月にファン・ジョンウンの『야만적인 앨리스씨(仮邦題:野蛮なアリス)』が刊行され、4月上旬に著者来日イベントも開催される予定です。来年も韓国文学から目の離せない年になりそうです。K-BOOK振興会でも引き続き「日本語で読みたい韓国の本」「日本語で読める韓国の本」を紹介していきます。

年末年始や冬休みの読書の参考になればと、ウェブで読める書評や誌面などをまとめてみました。ぜひ、ご覧ください(日経新聞のサイトは、全文を読むためには会員登録が必要です)。

パク・ミンギュ著『ピンポン』(斎藤真理子訳 白水社)
 (白水社のサイトでは、2017年5月22日に東京神保町・チェッコリで開催されたトークイベントのために著者が寄せてくださったエッセイ「たこやきピンポン」も読むことができます。)

いじめと集団の悪を描いた東アジア文学の最先端 都甲幸治(翻訳家・早稲田大学教授)(週刊新潮)

ジュースポイントの人類にささげる本 小国貴司(ブックス青いカバ店主)(WEBちくま)

無関心で加害者となる絶望 吉川凪(翻訳家)(日経新聞)

 

パク・ミンギュ著『三美スーパースターズ 最後のファンクラブ』(斎藤真理子訳 晶文社)

韓国の競争社会に日韓関係…韓国人作家が「野球」を通して伝えたいこと 北條一浩(ライター)(AERA)

 

ハン・ガン著『ギリシャ語の時間』(斎藤真理子訳 晶文社)

ささやかで切実な痛み 青山七恵(作家)(YOMIURI ONLINE)
 
薄明に探る他者を知る言葉 吉川凪(翻訳家)(日本経済新聞)

 

姜英淑著 『ライティングクラブ』(文茶影訳 現代企画室)

書くことと読むことの意味 吉川凪(翻訳家)(日本経済新聞)

ト・ジョンファン著『満ち潮の時間』(ユン・ヨンシェク 田島安江編訳 書肆侃侃房)
若松英輔(批評家)https://twitter.com/yomutokaku/status/934111259246575617

 

ピョン・ヘヨン著『アオイガーデン』(きむふな訳 クオン)

アオイガーデン書評8月5日付け読売新聞夕刊 

ハン・ガン著『少年が来る』(井手俊作訳 クオン) チョ・セヒチョ『こびとが打ち上げた小さなボール』(斎藤真理子訳 河出書房新社) 金呂玲著『優しい嘘』(金那炫訳 書肆侃侃房)

クレアクレア9月号「海外文学はいま、アジアが熱いんです」ライター瀧井朝世

エル豊崎エル・ジャポン2018年2月号 2017年のベストブック!読み逃せない20冊 豊崎由美(書評家) 『こびとが打ち上げた小さなボール』と『ピンポン』を紹介

エル松田エル・ジャポン2018年2月号 女性に読んでほしいテーマ別図書 松田青子(作家・翻訳家) 『ギリシャ語の時間』を紹介

ピンポン

ギリシャ語表紙三美表紙走れおやじ表紙

アオイガーデン殺人者表紙

ライティングクラブ表紙