日本語で読める韓国の本

邦訳された韓国の小説や詩などの文学作品をはじめ、実用、絵本などさまざまな分野の邦訳本をご紹介します。

葵のようなあなた

新婚の妻を失ったり、労働組合を組織したため教壇を追われ、10年後に復職するも病で再び教壇を離れざるを得なくなったり、数々の苦難を経ながら詩作を続けている詩人都鍾煥(ト・ジョンファン)。韓国を代表する詩人のひとりです。強靱な意志を思わせる真っ直ぐな言葉の中にもやわらかさと美しさのある彼の詩は、世代を超えて人気を博しています。詩集に『고두미 마을에서(コドゥミ村で)』、『접시꽃 당신(葵のようなあなた)』、『부드러운 직선 (やわらかい直線)』などが、エッセイ集に『꽃은 젖어도 향기는 젖지 않는다(花はぬれても香りは...

2016-01-17 (日)

無情

韓国近代文学史において初の近代長編小説とされている『無情』。著者の李光洙(イ・グァンス)は、明治学院、早稲田など日本への留学経験もある独立運動家で、多くの小説を残しています。「近代文学の祖」という栄誉を受けながらも、「香山光郎」と創氏改名して日本語小説を発表したことで、「親日文学者」の烙印を押されました。『無情』は、新聞の連載小説として生まれ、1917年元旦から6月14日まで「毎日申報」に連載されました。李光洙は、植民地朝鮮の近代化と独立を志し、民族が生き残るための希望を抱いて『無情』を書きました。『李光洙―韓国近...

2016-01-11 (月)

いま、君に詩が来たのか

「シカダ賞」や「ストルガ詩の夕べ金冠賞」など海外の文学賞も数多く受賞している、今韓国で最も注目すべき詩人、高銀(コ・ウン)。 1933年に出生し、道で拾ったハンセン病患者の詩集をきっかけに詩人を志します。初期の詩は、生きることに対する意志や執着よりも死の影の方が濃かったのですが、1970年代以降は、民主化運動に積極的に参加し、投獄・拷問を経験したことで、正義を貫けない社会への熾烈な闘争認識を、民衆中心の歴史観に基づいて多く詠っています。『피안감성(彼岸感性)』、『머나먼 길(はるかに遠い道)』、『만인보(萬人譜)』...

2016-01-05 (火)